「ストレス アクセプト&コミット」(ストレスの受けとめ方とかかわり方)とは?

「ストレス」とは?

 災害・事件・紛争・暴力など(A)が、心身に対して強い負荷をかけ、心身にさまざまな影響(C)が生じてくる現象のことです。
 このとき、心身に現れる影響(C)を、「ストレス反応」と呼び、それを引き起こすさまざま刺激(A)のことを、「ストレス刺激(ストレッサー)」と呼びます。
 
 新型コロナウィルス感染症[Covid-19]の恐怖が迫ると、負荷がかかって、うつっぽくなったり、逆にいらいらして人にあたったりします。
 ウィルス自体もストレッサーですが、自分の行動に対する他人の視線などもストレッサーになります。
 ストレス反応は、身体反応に現れる場合、(主観的)な感情反応の場合、(暴力などの)行動として現れる場合など、さまざまです。

 ただ、試合やコンクールのプレッシャーが、かえってよい成績を発揮させることも知られています。
 これは、善玉ストレス(ユーストレス)と呼ばれています。
 ある意味で、人生とはストレスの連続であり、その中で自分らしい生き様をつくりだすこともあれば、耐え難いつらい結果になってしまう場合もあるのだと考えられるでしょう。

さまざまなコーピング

ストレス状況では、人はさまざまな対処を見せます。これをコーピング[coping]といいます。
    コーピングの種類          例
   ・問題解決コーピング:     ウィルス防護体制をとり、手洗いをまめにし、体調が悪ければ相談する
   ・問題から離れるコーピング: TVを切り、一人で過ごす時間を楽しむ
   ・援助を求めるコーピング:  不安な気持ちを友達に聴いてもらう
   ・諦めコーピング:       「この状況は簡単には変えられない」と悟る
   ・行動感情抑制コーピング:  感情を抑え、早まった行動をとらないようにする
コーピングの分類には、他にも問題焦点−情動焦点、積極−回避、認知−行動など、さまざまなものがあり、
ストレス反応を軽減できるものと、かえって増強してしまうものがあって、
単純に「効果的な最良のコーピングがある」とはいいにくい状況です。




「ストレス アクセプト(アクセプタンス)」とは?

 人生のさまざまなストレスに際して、逃げずに、うまく向き合っていくありさまです。
 実際のところ、大きなストレスに遭遇すると、多くの人はそれを評価したり、理由づけしたり、回避したり、言葉の罠に溺れてしまったりして、ストレスをさらに拡大してしまう悪循環に陥ります。

 ストレスによって心身に障がいを来している人がストレス アクセプトできれば、それは心理療法の第一段階となります。
 また、まだそれほどの障がいが起きていなければ、ストレス症の早期発見や予防教育ということになります。
    → では、ストレス アクセプタンスのための方法を見てみましょう!
       「マインドフルネス」の説明もこちらです。

「ストレス コミット(メント)」とは?

 ストレス状況を認めた上で、ストレッサーにうまく対処していく、自分らしいやり方を身につけたり、選択したりすることを指します。
 小さな変化であっても、一つ一つ重ねていくことで、ストレスに溺れてしまわずに、自分らしい人生の歩みをたどっていくことができるでしょう。

 当ゼミでは、こうした立場から、心理学を現実社会に役立たせていくことを目指しています。

ストレス アクセプト&コミットのための参考文献         
ハリス,R.(武藤監訳)2012よくわかるACT 星和書店
ヘイズ,S.C.、スミス,S.(武藤・原井・吉岡・岡嶋訳)2010
 ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)をはじめる
 セルフヘルプのためのワークブック 星和書店
チャロッキ,J.V. &  ベイリー, A.B. (武藤・嶋田監訳)2011
 認知行動療法家のためのACTガイドブック 星和書店


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